所用で先月沖縄に行ってきました。これまで沖縄には数回訪れ、戦跡などを訪ねることが多かったのですが、今回は海に入ったり、樹林を歩いたりと自然に親しむ機会を得ました。こちらの写真は沖縄石灰岩の鍾乳洞が数十万年前に崩れて出来たと言われる「ガンガラーの谷」。大きな洞窟に集合して、この谷を解説付きでゆっくりと散策できるツアーに参加しました。岩と植物が共生し、木々の隙間から光が差し込む谷底を歩くと、建築家藤本壮介氏の言うような「原初的な空間」の魅力を強く感じました。「鍾乳洞が崩れて出来た」この谷には、明るい場所と暗い場所、天井のある場所、あるように感じる場所、ない場所などが複雑に入り混じった空間が連続しており、通常の閉じた鍾乳洞や洞窟よりも、想像力が喚起される「建築的体験」ができる魅力を感じました。普通に考えるといわゆる閉じた「洞窟」の方が「建築」に近い体験ができそうですが、開く/閉じる、明るい/暗い、高い/低いなど変化がある方が実際の建築体験に近いと感じられたのは私にとって収穫でした。