新幹線熊本駅西口 駅前広場 設計競技
私たちは、九州新幹線が運んでくる新しい息吹をイメージさせるリボン状の屋根やベンチが連続する軽やかで動きのある広場を提案します。大きなビルや多数の乗降客に対応した東口広場の大屋根に対し、西口広場では万日山周辺地域のスケール感を継承した小さな屋根やベンチが集合・連続するデザインとし、駅利用者だけでなく西口周辺の人々が気軽に立ち寄りくつろぐ事ができる身近な広場をつくりだします。
日差しを遮るリボン状の屋根や車止めを兼ねたベンチは、交通機能や人々の動線に呼応して配置され、その結果得られる全体のフォルムは、たなびく阿蘇の噴煙や新幹線がつくりだす風を連想させ、熊本を訪れた人々、あるいは地域の人々の記憶に深く刻まれる個性的な広場をつくりだします。
駅コンコースと一体化するひろがりのある広場
広場の床仕上げ材は駅コンコースと同材とし、歩道・車道も同じ材料による仕上げにすることを提案します。また東口広場プロポーザル案と同様、歩道と車道の段差が無いバリアフリー床とすることで子供から老人まで利用しやすい広場とし、大きな床が駅に入り込んでいくような一体感のある空間をつくります。
歩道と車道の間には車止めを兼ねたリボン状に連続するベンチを設置し、車道内には車の速度を抑えるハンプを複数設置します。
バスやタクシーの見え方をやさしくコントロールする床のうねり
敷地の大部分が交通機能によって占められている西口広場においては、ともすれば車両が広場の主役になってしまいます。ここでは広場床の小さなうねりや低木植栽によって車両の見え方をコントロールし、人が主役の広場をつくります。
周辺環境に呼応したスケールを持つ連続するリボン
万日山から吹き降りたやさしい風のようにたなびく形態を持つリボンは、広場のゲートとなり、人々が寛ぐベンチとなり、そして日差しを遮る屋根となりながら上下し、駅コンコースの内部まで連続していきます。このリボンは、コンコースと同材で仕上げられた広場の床とあいまって駅と広場を親密に繋ぎ、人々の流れや賑わいが東西に抜ける「アメニティ軸」の形成に貢献します。