Rope Roof Project 2024  

工事現場などで「境界」を示すために使われる「トラロープ」を使い、数本の木を繋いで森の中に小さな屋根を掛ける。ロープ屋根は、広大な森の中に隠された小さな空間を顕在化させると同時に、その下に人や物を導く。 ロープを巻いた木々が、風により其々異なる動きをする故、ロープが弛張し、人の気配をほのめかすハンガーがわずかに上下する。そんなことを繰り返すうち、展示期間中に屋根形状も変わるだろう。配置された椅子やハンガーも、来場者によって移動させられる。つまりこの屋根と、その下で展開される人やモノが織りなす風景は、私と森と来場者とが共同で制作した作品となる。

赤坂真一郎